月刊薬事 2022年10月臨時増刊号(Vol.64 No.14)
病院薬剤師になったら学ぶこと
第1章 入院患者が来た……どうする?
1 術前中止薬のチェックと対応
柴田 ゆうか
2 初回面談・持参薬鑑別のコツ
寺沢 匡史
3 入院中のカルテ記載のポイント
田中 康崇
4 ポリファーマシーと薬剤調整
木村 丈司
第2章 絶対外せない3つの薬
1 入院患者での抗菌薬の使い方
浦上 宗治
2 輸液療法の基本
井上 真
3 入院患者の栄養療法
高瀬 友貴
第3章 病棟で患者の様子が……薬はどうする?
1 発熱
前田 幹広
2 痛み
金子 健
3 下痢
嶽小原 恵
4 便秘
嶽小原 恵
5 術後悪心・嘔吐
猪狩 賢蔵
6 皮膚症状??褥瘡
大岡 建太郎
7 不眠
赤嶺 由美子
8 意識障害(せん妄含む)
吉廣 尚大
9 摂食・嚥下障害
山田 史江
10 転倒・転落
町田 聖治
第4章 検査値が異常……どうする?
1 貧血・血球異常
小室 雅人
2 血圧異常
中薗 健一
3 血糖異常
加藤 隆寛
4 逸脱酵素(AST、ALT、LDH)、胆道系酵素(ALP、γ-GT)の異常
佐村 優
5 腎機能検査値の異常
柴田 啓智
6 凝固・線溶系の異常
安藝 敬生
7 炎症マーカーの異常
上田 和正
8 電解質異常
今井 徹
第5章 特に注意が必要な患者へのケア……どうする?
1 免疫不全患者
葉山 達也
2 小児
清水 啓道
3 高齢者
天白 宗和
4 妊婦・授乳婦
山谷 明正
5 精神疾患をもつ患者
進 健司
第6章 一歩進んだ入退院マネジメントをしよう!
1 手術室、救急・集中治療室とどう連携する?
曽我 弘道
2 医師・看護師とどう連携する?
中込 哲
3 退院に向けて何をする?
萱野 勇一郎
1988年3月の診療報酬改定により、入院技術基本料が新設された。これを機に薬剤師の入院患者に対するクリニカル・ファーマシー業務は大きな広がりをみせた。患者への服薬指導から始まった病棟での業務は、副作用・薬物相互作用の確認や投与設計など薬物療法そのものにも関わるようになり、さらに救急集中治療や周術期管理にまで業務範囲を拡大している。そして、病棟で働く薬剤師は、医師や看護師などの集学的医療チームの一員として認知されるようになった。限りのない医療の進歩は、治療の高度化と複雑化をもたらし、より専門性の高いチーム医療が求められている。
『薬剤師の病棟業務の進め方(Ver.1.2)』(日本病院薬剤師会)には、薬剤師の病棟業務の目的として、①入院患者に対する最適な薬物療法の実施による有効性・安全性の向上、②疾病の治癒・改善、精神的安定を含めた患者のQOLの向上、③医薬品の適正使用の推進による治療効果の向上と副作用の防止による患者利益への貢献、④病棟における薬剤(注射剤、内服剤など)に関するインシデント・アクシデントの減少、⑤薬剤師の専門性を活かしたチーム医療の推進──が掲げられている。この目的を遂行するために、薬剤師は、担当する患者の病態や症状に合わせて、その薬物療法に柔軟に対応する必要がある。
患者の病態を理解することは薬剤師に必要なスキルの一つである。医師の診断、治療方針、看護師によるケア、生理検査や検体検査、画像検査、栄養、リハビリテーションなど、患者に関するあらゆる情報から病態を理解すれば、最適な薬物療法を提供し、薬による副作用、薬物相互作用から患者を守ることができる。また、それぞれの職種の専門性や立場を理解し尊重することはチーム医療にとって特に重要なことである。
本書には、患者が入院してから退院するまでの間に薬剤師が関わるポイント、遭遇する可能性の高い病態の変化や検査値異常のとらえ方、そして、特に注意が必要な患者へのケアをどのように行うかなどが、薬剤師の視点で書かれている。病棟業務をこれから始める方も、すでに行っている方にも、それぞれのシチュエーションから患者の病態や治療に対する考えを膨らませるコツを理解する一助となれば幸いである。
2022年10月
小倉記念病院薬剤部 部長
入江 利行
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