ロジックツリーで診断のプロに変身!
医師人生のスタート地点に立った研修医にとって、患者に正しい診断をつけることは簡単ではありません。「指導医の先生はどうやって診断しているんだろう?」と不思議に思うのではないでしょうか。そこで本書の出番です。
本書は、ベテラン総合内科医が身につけている診断推論のエッセンスを研修医にわかりやすく解説。そのカギになるのが「ロジックツリー」で、「何となく」ではなく論理的に鑑別疾患を絞り込むための考え方を症状別に披露しています。
読んでいるだけで面白くて楽しい会話で学べる1冊、ぜひ手に取って診断学の面白さを体感してください!
お知らせ
2024年3月25日 特設サイトを開設
Chapter 1 総論①
診断推論はロジックツリーでサクサク簡単に!
Chapter 2 総論②
上手な病歴聴取は「3STEPの問診」で!
Chapter 3 浮腫
むくんでるから利尿薬って,それ本当?
Chapter 4 失神
失神,意識障害,TIA,てんかん? あぁ紛らわしい!
Chapter 5 ショック
あらショック! ショック=血圧低下じゃないんです
Chapter 6 腹痛①
腹痛は「場所」×「性状」で疾患を絞り込もう
Chapter 7 腹痛②
君よ,腹痛診断の達人となれ!
Chapter 8 婦人科疾患による腹痛
妊娠の可能性と月経周期の時期から好発する疾患を考えよう
Chapter 9 意識障害①
意識障害のABCDEをマスターせよ
Chapter 10 意識障害②
「ABCDE」のEと+αを押さえよう
Chapter 11 急性経過の発熱①
重篤になる細菌感染症を見逃すな!
Chapter 12 急性経過の発熱②
発熱患者の問診で確認したい項目は?
Chapter 13 慢性経過の発熱①
発熱以外にあまり随伴症状がないときはどうする?
Chapter 14 慢性経過の発熱②
膠原病による不明熱ではまず5つを覚えるべし
Chapter 15 関節痛①
関節炎では関節をきちんと視て,触って診察すべし
Chapter 16 関節痛②
見逃し厳禁疾患から紛らわしい疾患まで,関節痛のいろいろ
Chapter 17 胸痛①
ヤバい胸痛を瞬時に判別するコツは?
Chapter 18 胸痛②
ACS以外の胸痛を見抜くための病歴・身体所見は?
志水太郎先生(獨協医科大学総合診療医学・総合診療科 主任教授・診療部長)
魔法のように診断が上手になりたい研修医の先生方にぜひ!
評者の関心は診断推論であり、その経緯から小栗先生から書評をご依頼いただきました。本書は2章分の総論、それに続く16章分のメジャーな症状(発熱,腹痛,意識障害など)の考え方について、わかりやすい症例ベースで、かつ対話形式・実況中継という読者が入り込みやすい形式で進んでいきます。
研先生と修子先生のお二人がボケとツッコミの関係で、そこに第3の登場人物である診断ロボ君が分析的な合いの手を出しながらテンポよく診断推論が進み、その筋道と考え方を追体験するように楽しく診断推論を学んでいくことができると思います。時折ゲスト登場するエッジの効いた魅力的なキャラクターたち〔池面(イケメン)先生やセレブ・プリンス、イッカ星人など〕も本書の手に取りやすさを高めていると思います。
フランクさの反面、本書を貫通するテーマは硬派なロジカル診断で、「ロジックツリー」と本書でよばれる分析的手法を丁寧に整理することで、鑑別診断の系統的考え方を学ぶことができます。本書の対象は研修医ら初学者ということですが、それが確かに正しい対象グループであると思える最大の理由は、きちんと系統立てて分析的に考える習慣が初学者の鑑別診断・臨床推論の訓練では最も重要で確実に効果がある方法だから、です。そしてそのニーズに本書は正面から応えている、ということになると思います。これをきちんと修得すると、それがなかったときに比べて、確かに“魔法のように”鑑別が上手になるに違いありません。
診断推論の訓練は医学教育の中心軸として強調されるべきものですが、最近は独習用の教材もなかなかなく、研修医や学生から「お手軽に日本語で始めるのに何かないですか」と聞かれても、〇〇がいいですよとお勧めしにくい状況が続いていました。本書はより広く医学部低学年から研修医、果ては専攻医まで、診断推論の独習書として皆に親しまれるのではないか思います。
山中克郎先生(諏訪中央病院総合診療科)
医師国家試験に合格し、晴れて研修医生活を送っている皆さん、おめでとうございます。医師の仕事はやりがいがあり大変楽しいです。しかし、試験勉強と実際の臨床は大きく異なります。患者が語るストーリーや検査結果にはノイズがたくさんあるため、どの情報が診断に最も重要なのかを見極めることは簡単ではありません。そんなときに役立つのが診断推論です。
この本は男女の若い研修医と指導医ロボットとの会話で構成されています。この本を読みながら、わかりやすく診断推論の基礎と応用を学ぶことができます。非常にユニークな創意工夫があり、飽きることなく診断推論の魅力を体験できるでしょう。「ロジックツリー」は見落としがないよう、鑑別診断を解剖学的アプローチや病態的アプローチから系統的に考えて検討するための図です。「3STEPの問診」では、①病歴の具体化(病歴を映像化する)、②病歴の抽象化(なぜ受診したか)、③病歴の再度具体化(疾患を絞り込む)を実践しながら診察します。
腹痛、発熱、関節痛など症候別になっており、実際の症例をベースに語られているので、救急室であたかも診療しているかのようです。本書の使い方として、まず通読した後、自らが救急室で経験した症例やケースカンファレンスで得た知識をこの本の余白にどんどん書き込んでいくことをお勧めします。初期研修が終わる頃には、最強の内科診断学の本になっていることでしょう。
この本ではアイドル歌手の男性が不明熱で入院します。毎回ライブの日だけ熱が出るそうです。エ~原因は何だと思いますか? Stay tuned!
研修医の皆さん、お疲れ様です。4月から研修が始まり、何もかもが初めての状況でいきなり現場に放り込まれて、右も左もわからずに戸惑っている状況かもしれませんね。
国家試験で疾患ごとの知識は学んだはずなのに……「なぜか現場で診断がうまくできない!」
病棟の指示出しのやり方や、点滴や内服薬、病院のルールなど覚えることがいっぱいで日々のデューティーもあるなかで……「診断学を勉強する時間なんてない!」
そんな研修医の皆さんのためにこの本は誕生しました。
この本の目的はシンプルに2つです。
①サクッと通読できて楽しく診断推論の全体像を学べること
②どんな症例にも応用が利くような,診断推論の基本となる頭の使い方を習得できること
そのために、診断推論という広い世界のなかで迷子にならないような魔法の地図を皆さんに授けるために用意されたのがこの本です。その魔法の地図とは、論理的思考(ロジカルシンキング)で用いられる「ロジックツリー」とよばれる便利な図のことです。
え? 「ロジカルシンキングなんて難しそう」ですって? では、まずは気になった章のページからパラパラと気楽な気持ちで読み始めてみてください。皆さんであれば、あっという間に1章分など読み終えてしまうはずです。
初診外来をもったばかりでまだ自分の診断に自信がない専攻医の先生や、プライマリ・ケアをもっと学びたいベテランの先生たちも、ぜひこの本を読んでみてください。何なら漫画を読むような感じで、寝転がってお菓子を食べながら軽く読み進めていただいても構いません。
この本には、私の15年間の総合内科医としての診断学のエッセンスを詰め込んであります。なかにはシンプルにするために、あえてデフォルメ化したり比喩的な表現を用いて説明したりしている箇所もありますが、この本を読み終えた後に他の成書を読むことで知識がつながり、より深く理解ができるような構成になっています。
いつの間にかサクサク読み終わって、診断推論が得意になっていた!
さあ、ページを進めて、そんな魔法のような感覚をぜひあなたも体験してみてください。
読了後には、早く現場に出て診断推論がしたくてたまらなくなること請け合いです。
小栗 太一
医師人生のスタート地点に立った研修医にとって、患者に正しい診断をつけることは簡単ではありません。「指導医の先生はどうやって診断しているんだろう?」と不思議に思うのではないでしょうか。そこで本書の出番です。
本書は、ベテラン総合内科医が身につけている診断推論のエッセンスを研修医にわかりやすく解説。そのカギになるのが「ロジックツリー」で、「何となく」ではなく論理的に鑑別疾患を絞り込むための考え方を症状別に披露しています。
読んでいるだけで面白くて楽しい会話で学べる1冊、ぜひ手に取って診断学の面白さを体感してください!
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