薬剤・検査データの読み方
訂正情報
【1】肝機能検査
【2】ウイルス肝炎のマーカー
【3】腎機能検査
【4】血液一般検査
【5】電解質・鉱質検査
【6】血液ガス関係
【7】糖尿病関係検査
【8】メタボリックシンドローム関連
【9】脂質関係検査
【10】膵・外分泌機能検査
【11】その他の生化学検査
【12】ホルモン関連検査
【13】骨代謝マーカー
【14】出血・凝固・線溶系関係
【15】固形腫瘍の検査
【16】免疫・血清検査
【17】炎症・感染症のマーカー
【18】感染症検査
【19】尿検査
【20】便潜血検査
【21】肺機能検査
【22】心電図
【付録】
付録1.副作用の発見・疑義照会・服薬指導時のone point advice
付録2.検査が必要と添付文書に記載のある主な薬剤
改訂7版発行に際して
「薬剤師のための臨床検査の知識」は、故池田千恵子先生が大阪府病院薬剤師会雑誌に連載していたものをまとめ初版とし、主として病院薬剤師を対象とした教材として、爾来社会の変化に呼応し改訂を重ねて、薬剤師の技能向上に情熱を注いでこられました。先生の意志を引き継ぎ、第7版を送呈いたします。
今日の医療において、薬剤師は従来と比べ患者さんに近い現場での活動が求められるようになりました。病院薬剤師はもとより薬局薬剤師は「かかりつけ薬剤師」として患者さんへの服薬指導が求められるようになり、患者さんのさまざまな病態を理解したうえでの服薬指導が必要となってきました。
臨床現場で活躍する薬剤師にとって患者さんの病態を理解するツールの1つが検査データであります。病院薬剤師はカルテの検査データを、保険薬局薬剤師は院外処方箋に記載されている検査値や患者さんが持参されたさまざまな検査データを読み取ることにより、より精度の高い服薬指導、疑義照会が可能となります。
また、チーム医療の広がりのなか、病院薬剤師や在宅医療に従事する薬剤師はチーム医療を円滑に進めるため臨床検査情報を他職種と共有することが必須となっています。
近年セルフメディケーションの高まりのなか在宅検査を利用する人が多くなっています。在宅検査には尿蛋白試験紙や妊娠検査薬といった「OTC(Over The Counter)検査薬や「検体測定室」を利用する検査、さらに郵送検査があります。郵送検査のなかには生活習慣病をはじめ感染症、アレルギー、がんのマーカー、特殊検査まで行われる場合があります。これらの検査に対するサポートが求められるようになりました。
第7版は上記の変化に呼応して、検査についてNSTや糖尿病療養指導のなかで患者さんからいただいた不安や疑問の経験を加味して病院薬剤師はもとより在宅医療従事薬剤師、薬局薬剤師を対象に解説しました。新たに病原微生物検査法を加え感染症に対する炎症反応検査、薬剤感受性検査を詳細に記しました。またウイルス肝炎マーカー、感染症検査、固形腫瘍の診断・治療に遺伝子検査を用いた手法の紹介を付記しました。各疾患に対する治療ガイドラインは各薬剤師にも有用と考え、最新のガイドラインを記しました。
また第6版同様、薬剤師が副作用の発見,医師への疑義紹介、薬物療法の効果等に検査値を利用していただきたく、巻末の付録1に「副作用の発見・疑義照会・服薬指導時のone point advice」を、付録2に検査が必要と添付文書に記載のある主な薬剤をリストアップし、検査項目や検査の頻度等注意事項を記載しております。
本書の検査の基準値は(株)エスアールエル(SRL)の基準値(2019年1月現在、測定法は省略)を使用させていただいております。本書が検査を通じ患者さんに寄り添った服薬指導・疑義照会の参考になり、副作用の予防・発見・重篤化防止、最適な投与設計に大きく貢献できる薬剤師になられる一助となれば著者の最高の喜びでございます。
最後に本著書を継続執筆することを快諾くださいました故池田千恵子先生に感謝申し上げるとともに哀悼の意を表します。また、改訂に際しご協力賜りました(株)じほうの大磯洋彦氏、井上淳氏に御礼申し上げます。
2019年3月
笹隈 富治子
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