月刊薬事 2025年2月臨時増刊号(Vol.67 No.3)
エキスパートが教える腎臓病薬物療法の投与戦略
Chapter 1 腎機能低下×薬物投与量調節のギモン
1 腎機能評価時のピットフォールは? …浦田 元樹
2 シスタチンCによる腎機能推算式を使うのはどんなとき? …平井 利典
3 腎機能低下時に減量が必要な薬物は腎排泄型だけ? …辻本 雅之
4 腎機能が悪いなら肝代謝型にすべき? …加藤 隆児
5 腎機能別投与量はどのように決められているの? …竹内 裕紀
6 腎機能低下時に減量が必要なTDM実施薬には どのようなものがある? …新岡 丈典
7 小児の腎機能評価はどうしたらいい? …諏訪 淳一
Chapter 2 薬剤性腎障害のギモン
1 「薬剤性腎障害」と一括りにしてもいいの? 違いはあるの? …倉田 遊,南學 正臣
2 腎障害を起こしやすい患者は? …等 浩太郎
3 Triple whammyって何ですか? …門脇 大介,長谷川 浩三,橋本 麻衣
4 シックデイ時に中止すべき薬剤は? …田中 章郎
5 アセトアミノフェンは腎臓にやさしい鎮痛薬? …平田 純生
6 抗がん薬は腎臓に悪影響を及ぼすものが多いの? …山本 和宏
7 CKD患者に対して帯状疱疹治療薬を投与するときの注意点は? …水野 智博
8 薬剤性腎障害への適切なアプローチとは? …岡田 直人
Chapter 3 CKD×腎機能低下抑制のギモン
1 AKI患者の腎機能評価のポイントや CKDに進行させないための対応は? …前田 佳哉輔,丸山 彰一
2 腎疾患の分類をシンプルにわかりやすく教えてください! …松村 実美子,髙野 秀樹
3 原疾患の治療薬以外で腎機能低下抑制作用を有する薬剤は? …近藤 悠希
4 糖尿病を併存しているときの腎機能低下抑制はどうする? …山口 諒,阿部 雅
5 心不全を治療すれば腎機能低下の進展を抑制できる? …林 八恵子
6 免疫学的腎疾患に対するステロイドの使い方と服薬指導は? …安田 知弘
7 新しいIgA腎症治療薬は,既存の治療法とどう違う? …坪井 直毅
8 腎移植における免疫抑制療法を教えてください! …辻本 高志
9 多発性嚢胞腎の治療法は? …土谷 健
10 多発性嚢胞腎以外の遺伝性腎疾患の治療は? …藤丸 拓也,蘇原 映誠
11 球形吸着炭は本当に効果があるの? 効果の程度は? …園田 利広
12 腸内細菌叢を整えれば腎機能低下が抑制されるってホント? …永野 伸郎,筒井 貴朗
13 CKD患者の栄養管理でたんぱく質制限は 厳しくしたほうがいいの? …菅野 義彦,長井 美穂
Chapter 4 腎機能低下×併存疾患
1 腎機能低下×不整脈 …鈴木 大介
2 腎機能低下×がん …小泉 祐一
3 腎機能低下×上気道感染症(COVID-19,インフルエンザ) …西川 有沙美,平 大樹,寺田 智祐
4 腎機能低下×精神疾患 …秋山 晋一
5 腎機能低下×認知症 …志内 敏郎
6 腎機能低下×骨粗鬆症 …平井 さやか
7 腎機能低下×肝硬変 …佐村 優
8 腎機能低下×脂質異常症 …三澤 翔
9 腎機能低下×フレイル …猪阪 善隆
10 腎機能低下×妊娠・妊娠高血圧腎症 …金﨑 啓造
11 腎機能低下×周術期 …柴田 啓智
12 腎機能低下×電解質異常(輸液) …髙坂 聡
Chapter 5 CKD×合併症のギモン
1 高血圧症|CKD患者の降圧目標と降圧薬の選択は? …菅原 浩介
2 腎性貧血|ESAとHIF-PH阻害薬の選択はどのようにすればよい? …成末 まさみ
3 CKD-MBD|リン吸着薬と新規高リン血症治療薬NHE3阻害薬 (テナパノル)の使い分けは? …髙山 慎太郎
4 CKD-MBD|CKD-MBDの治療薬はCKD病期によっても Ca,P,PTHなどが異なるの? …嶋村 弘史,二村 哲未,平出 美紀
5 高カリウム血症|高カリウム血症に対する薬の使い方の ポイントは? …成田 勇樹
6 代謝性アシドーシス|重曹投与は,透析に移行したら やめてもいい? …要 伸也
7 高尿酸血症|尿酸を管理すれば,CKD患者の腎機能低下は抑制できる? …森下 宙輝
8 すべての合併症|保存的腎臓療法(CKM)はいつまで継続する? 終末期の緩和ケアはどうする? …藤倉 恵美,中道 崇,宮崎 真理子
Chapter 6 透析のギモン
1 透析中の血圧・輸液管理のポイントは? …森住 誠
2 透析管理の抗凝固薬(ヘパリン,ナファモスタット)の使い方は? …天野 博明,岡田 浩一
3 透析回路から投与できる薬の有用性は? …永野 浩之
4 透析導入後の利尿薬を継続・中止するポイントは? …早川 兼司
5 透析で除去されやすい薬の特徴は? …宗山 真梨奈
6 透析中の投与量は,重度腎機能障害より増やす? 増やさない? …吉田 拓弥
7 透析前・透析中に投与したほうがいいのはどんなとき? …宮田 優希,山本 武人
8 血液浄化療法の種類によって投与量も変えるべき? …小林 豊
9 短時間連日透析や長時間透析の場合,薬物投与量は どの程度がいい? …古久保 拓
腎の薬物への作用として,腎は肝臓と並んで薬物(活性および毒性物)を体内から消失させる最も重要な臓器です。また,薬物の腎への作用として,腎では薬物が高濃度になりやすいことなど,いくつかの要因により薬物による障害を受けやすい臓器でもあります。このことから,特に慢性腎臓病(CKD)患者の薬物療法で注意すべきものとして,①腎機能低下時に血中濃度が上昇するため,投与量調節が必要となる薬剤(主に腎排泄型の薬剤,一部腎排泄型薬剤以外もあり),②腎障害を起こす薬剤があります。さらにCKD患者では体内のホメオスタシスが崩れているために薬の影響を受けやすいことから,③腎疾患の病態による薬剤への忍容性の低下に対しても,常に注意を払う必要があります。
CKD患者の薬物療法を大きく分類するとすれば,①腎機能低下による薬物投与量調節,②薬剤性腎障害の防止,③各CKDの原疾患に対する薬物療法または腎機能低下抑制薬によるCKDの進行抑制,④併存疾患があるCKD患者における薬物療法の注意点,⑤腎不全によるさまざまな合併症に対する薬物治療,および⑥血液浄化療法による投与薬剤への影響に分けることができます。これらをすべて含めた場合は,非常に多くの薬剤が何らかのCKD薬物療法に該当することになります。このように,CKD患者の薬物療法は非常に幅広く,薬剤師が最も関われる分野の一つです。
そこで,本臨時増刊号「腎薬マネジメントの知恵袋 エキスパートが教える腎臓病薬物療法の投与戦略」では,上記のCKD患者の薬物療法の分類に沿った形で章立てをしたうえで,Q&A形式で解説しています。普段,多くの薬剤師がCKD患者の薬物療法で疑問に思っている点を少しでも解決できれば幸いです。発刊にあたっては,多くの著名な腎臓専門の医師および薬剤師にご執筆いただきました。この場を借りて改めて感謝申し上げます。本臨時増刊号がCKD患者の適正な薬物療法のために広くご活用いただき,有効で安全な薬物療法の実践への一助となることを願っております。
2025年2月
東京医科大学病院薬剤部長
竹内 裕紀
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