在宅医療Q&A 令和5年版

服薬支援と多職種協働・連携のポイント

¥3,080

●在宅医療に関わる薬剤師の疑問にQ&A形式でわかりやすく答えます
 
在宅医療における薬剤師の疑問に答える定番書籍。在宅医療に踏み出そうとしている初心者にぴったりのQ&A集です。在宅訪問準備から訪問後の報告、患者・服薬支援、多職種連携・体調チェック・薬のチェックなどのポイントや、緩和ケア、認知症の知識などをコンパクトにまとめています。在宅医療の実務はもちろん、フレイル、ロコモ、サルコペニア、転倒スコアなど、知っておくべきポイントが満載です。
編著
日本薬剤師会/監
じほう/編
発行日
2023年8月
判型
A5判
ページ数
292頁
商品コード
55207
ISBN
9784840755207
カテゴリ
目次

第1章 地域医療提供体制の一翼を担う薬剤師の職能発揮を

 

第2章 在宅訪問準備

・訪問の準備

 

第3章 在宅訪問

・訪問の実際

・書類・契約書

・医療材料・医療廃棄物

 

第4章 訪問後の報告・請求

・報告

・請求

・その他

 

第5章 患者支援、服薬支援のポイント

・服薬支援

・コンプライアンス向上

・お薬手帳

 

第6章 多職種連携のポイント

・多職種連携

・連携の実際

・訪問時のチェックポイント

 

第7章 緩和ケアの知識

・緩和ケア

・麻薬の取り扱い

・終末期

 

第8章 認知症の知識

・認知症の病態と対応

・認知症施策と話題

序文

令和2年1月に新型コロナウイルス感染者が国内で初めて確認されてから、3年半が経過しました。世界的規模での感染拡大が続き、わが国では第8波の到来・収束の後、令和5年5月8日から新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが5類へ変更され、医療提供体制は入院措置を原則とする行政の関与を前提とした特別な対応から、通常の対応に移行していくものとして切り替わりました。

薬局による薬剤師サービスも、外来患者・在宅患者への対応は平常の取り組みへと戻りつつありますが、新型コロナウイルス感染症を完全に制御できたわけではありません。これからは国民1人ひとりが健康状態を自ら確認することが不可欠とされており、地域の薬剤師・薬局には、セルフメディケーションへの積極的な支援をはじめ,これまで以上の重要な役割が求められています。

また、今般の感染症対応の中で,デジタル化が急速に進み、医療分野におけるICT技術の利活用の有効性・必要性をあらためて認識することになりました。同時にそれに向けた課題も見えてきましたが、医療DXの推進という流れの中で、より良い在宅医療の実現のために、試行錯誤を繰り返しながら新しい取り組みを取り入れていくことは重要なことです。

令和6年は、医療・介護報酬に加えて障害福祉サービス等報酬も含むトリプル改定が予定されています。長期に及ぶ景気の低迷は、生活必需品やさまざまな分野での価格高騰をもたらしており、社会保障財源の確保は非常に厳しい状況にありますが、かかりつけ薬剤師・薬局による医療/介護の側面からの地域住民・患者のサポートは、地域の医薬品提供体制の構築の原動力になるものと確信しています。

本書は、従来の「在宅医療」という枠組みを踏襲しつつ、新たな局面を迎えたわが国の「在宅患者への薬剤師サービス」の提供という視点を兼ね備えた、現場に立つ薬剤師が指針とすべき書籍です。

末筆ながら、本書刊行にあたり、企画・編集に携わった諸氏に改めて謝意を表します。

令和5年8月

公益社団法人日本薬剤師会

会長 山本 信夫