在宅療養の薬学的謎解き

¥2,970

●あなたが薬学で身につけた『謎解き』力を、在宅で思いきり発揮しよう!

「在宅医療で薬剤師は何をすればいいの?」 答えは一つ、患者をよくみて薬物治療を評価することです。
「それにはどうすればいいの?」 答えはいくつもあります。それは患者ごとに違うから。
「何かヒントはないの?」 ヒントはこの本の中にあります。
本書は、「在宅療養患者の何を見るか」、「どこに気をつけるか」、「どうやって問題を解決したか」など、薬剤師が在宅医療に全力で取り組んできた事例をありのままに収録しています。在宅療養患者が抱える問題を薬剤師が「謎解き」することで、ここまで在宅医療・介護の質が上がるのだと実感してもらえるはずです。まだ在宅医療をおこなったことがない方にも、在宅訪問に行き詰まりを感じている方にも、次の一歩が見えてくる本です。

在宅医療で何をしたらいいのかわからず「もやもや」している薬剤師に・・・
薬を届けて終わりの在宅訪問に「もやもや」している薬剤師に・・・
薬学で学んだ『謎解き』力を発揮してもらうためのヒントが詰まった本です!


「対物から対人へ」というパラダイムシフトを,華麗ではないが,泥臭く果たしていった事例をお読みいただき,何らかのアクションにつなげていただければ,望外の喜びです。(まえがきより)
狭間 研至(日本在宅薬学会理事長)


編著
日本在宅薬学会/編
発行日
2016年7月
判型
B5判
ページ数
184頁
商品コード
48735
ISBN
9784840748735
カテゴリ
目次

序章 在宅療養に薬剤師が起こすイノベーション

1. 地域で生活する高齢者が遭遇する薬物治療上の問題点

2. 2025年へのカウントダウンと薬剤師への期待

3. 在宅療養支援認定薬剤師とこれからの在宅医療の姿


第1章 事例報告 在宅療養患者の問題点を解決する

1.薬の服用に関する問題を解決する

 1. 薬が管理できない患者・家族への対応事例

 2. 服薬を忘れる患者に対応し、減薬に至った事例

 3. 服薬を嫌がる患者への指導が奏功した事例

 4. アドヒアランス改善の支援事例

 5. 多剤併用患者の処方提案の事例

 6. 嚥下困難患者への調剤の工夫による改善事例

 7. 服薬に支障をきたしていた視覚障害患者への対応事例

 8. 薬の取り出しに支障をきたしていた患者への対応事例

 9. 薬剤の過量服用の可能性を防いだ事例

 10. 胃瘻患者への誤った投薬方法を改善した事例

 11. 本人・家族では困難だった服薬管理を改善した事例


2.在宅療養環境の問題を解決する

 1. NST専門療法士の薬局薬剤師による栄養アセスメントにより栄養状態が改善した事例

 2. 適切な食支援を経て経口内服薬のコンプライアンスも改善した事例


3.薬の副作用や体調の異変の問題を解決する

 1. 副作用チェックと改善事例

 2. 薬による過鎮静の可能性に、段階的な減薬で対応した事例

 3. 患者の薬剤管理能力に応じた処方提案が奏功した事例

 4. ADL低下のチェックが奏功した事例

 5. バイタルサインのチェックで体調異変に気づいた事例

 6. 痛みのコントロール不良と麻薬への不安を改善した事例

 7. 減薬により患者の意識レベルが回復した事例


第2章 事例報告 在宅と入院の壁を取り除く

 1. 患者がいきなり在宅に放り出されないように対応した事例

 2. 処方箋だけではわからない、入院中の状況を薬局と共有した事例

 3. 病院の器材、やり方で困らないために対応した事例


第3章 事例報告 在宅療養を支える人々との連携

1.服薬や体調の情報を看護・介護者に提供・収集する

 1. 処方提案により、服薬介助者の負担軽減のために工夫した事例

 2. 薬剤師の訪問&フィジカルアセスメントにより急変の第一発見者となり救急搬送につながった事例

 3. 看護師への直接指導を通じて褥瘡治療にあたった事例


2.医師・歯科医師との連携事例

 1. 在宅医療を行っていない医師と患者をつないだ事例

 2. SNSを利用した医療者間の情報共有により治療方針を統一した事例

 3. 歯科医師との連携が患者の体調管理に役立った事例


資料

1. 「患者のための薬局ビジョン」(抜粋)

2. 「健康サポート薬局のあり方について」