診るロジックと薬の使い方
第1章 症状編
1 頭痛
2 めまい・ふらつき
3 痺れ・疼痛
4 ふるえ・Parkinson症状・不随意運動
5 急な片麻痺・言語障害など
6 意識消失発作
第2章 疾患編
1 脳梗塞
A 非心原性脳梗塞
B 心原性脳塞栓症
C 塞栓源不明脳梗塞、その他
2 認知症
A Alzheimer型認知症
B Lewy小体型認知症
C 血管性認知症
3 Parkinson病
A 早期Parkinson病
B 進行期Parkinson病
4 Parkinson関連疾患
A 多系統萎縮症
B 進行性核上性麻痺
C 血管障害性パーキンソニズム
D 本態性振戦
5 炎症性脱髄性疾患
A 多発性硬化症
B 視神経脊髄炎関連疾患
6 末梢神経障害
A Guillain-Barre症候群
B Fisher症候群
C 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチー
7 筋疾患
A 炎症性筋疾患(免疫介在性壊死性ミオパチー)
B 重症筋無力症
8 神経感染症
A ウイルス感染症(髄膜炎、脳炎)
B 細菌感染症(髄膜炎、脳炎)
C 非ヘルペス性辺縁系脳炎
9 内科疾患に伴う神経障害
A ビタミンB1欠乏症
B ビタミンB12欠乏症
10 てんかん
A 全般発作
B 部分発作
C 痙攣(てんかん)重積発作
11 頭痛
A 片頭痛
B 緊張型頭痛
C 群発頭痛
第3章 薬剤編
1 抗血小板薬
2 抗凝固薬
3 抗Parkinson病薬
4 抗てんかん薬
5 ステロイド
6 免疫グロブリン
7 免疫抑制薬
8 認知症治療薬
9 頭痛治療薬
第4章 神経難病の治療の現状
1 運動ニューロン疾患
2 代謝異常症
このたび、自治医科大学名誉教授の藤村昭夫先生のご指導の下、本書を編集させていただきました。専門医のロジック、治療選択にフォーカスを当て、これから専門医を目指す若い先生にもわかりやすい内容になっていると思います。
一昔前だと、「神経疾患は治療法がない」「よくならない」というイメージが強かったかもしれません。しかし、近年はrt-PAや直接作用型経口抗凝固薬、生物学的製剤、CGRP関連薬など治療の進歩が著しく、多くのエビデンスが構築されてきています。治療選択が広がることは喜ばしいことですが、一方で使う側は最新の情報を入手し、適正使用の経験を積み、治療効果を客観的に判断し、必要に応じて修正し、患者さんの満足度を上げる努力を続けなければなりません。例えば、脳梗塞の患者さんに対し、抗血小板薬と抗凝固薬のどちらを選択するのか、そしてそれぞれのなかからどの薬を選択するのか、どう組み合わせるのかなど、考えるべきことは少なくありません。診療ガイドラインを精読すると、ある程度の理解はできますが、それを実臨床の現場に落とし込む作業は若い先生にとっては決して易しいことではないと思います。
医療が進歩するほど、早期診断と適切な治療選択の重要性が増していきます。本書はガイドラインと日常診療の橋渡し的な位置にあり、日常診療で遭遇する頻度が高い疾患を中心に、その分野のエキスパートの先生に、疾患へのアプローチ、診断のプロセス、治療選択のコツについて執筆いただきました。多くの症例を提示し、実践的な構成になっています。基本的な知識を整理しながら、診断から治療選択のプロセスに触れていただければと思います。
本書の編集に際しては、多くのスタッフや先生方にお力添えを賜りました。改めて心から感謝申し上げます。多くの先生の日常診療の一助となれば幸甚です。
自治医科大学内科学講座神経内科学部門 主任教授
藤本 茂
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