消化器診療がわかる現場の教科書

診るロジックと薬の使い方

¥4,950

●研修医、非専門医に向けて消化器診療のイロハをやさしく教えます!
●症状、疾患、薬剤の3章構成で、臨床で必要な要点をしっかりカバー
●全ページ箇条書き・読み切り型だから、必要な情報がサッとわかる
●特に薬の使い方が詳しく解説されているので薬剤師にもピッタリ
 
診療科を問わず、消化器症状に出くわす機会は多いもの。専門医がどんなロジックで診療にあたっているのか、実臨床で使える知識をわかりやすく伝える本書は、研修医や非専門医、さらに消化器病棟を担当する薬剤師・看護師にとって役立つポイントが満載です。自信をもって消化器診療にあたれるようになるための、1冊目の教科書です。

 

編著
藤村 昭夫/監
大久保 裕直/編
発行日
2020年4月
判型
A5判
ページ数
400頁
商品コード
52749
ISBN
9784840752749
カテゴリ
目次

第1章 症状編

1 腹痛

2 胸やけ

3 下痢・便秘

4 吐血・下血

5 悪心・嘔吐

6 腹部膨満

7 黄疸

 

第2章 疾患・病態編

1 消化性潰瘍

2 急性胃炎

3 H. pylori感染症

4 胃食道逆流症(GERD)

5 機能性ディスペプシア(FD)

6 炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、Crohn病)

7 感染性胃腸炎

8 B型肝炎

9 C型肝炎

10 肝性脳症

11 腹水

12 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)

13 胆石症

14 急性膵炎

 

第3章 薬剤編

1 消化性潰瘍治療薬

2 H. pylori除菌薬

3 胃腸機能改善薬

4 5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤

5 免疫抑制薬

6 TNF-α阻害薬

7 核酸アナログ製剤

8 直接作用型抗ウイルス薬(DAA)

9 タンパク分解酵素阻害薬

10 制吐薬

11 便秘治療薬

序文

近年、消化器疾患の薬物療法は混沌化しています。逆流性食道炎や便秘症といったcommon diseaseに対する酸分泌抑制薬や便秘薬の多様化が進み、実臨床ではどのように薬物を使い分けていいかわからないという声がよく聞かれます。潰瘍性大腸炎の生物学的製剤、C型肝炎の直接作用型抗ウイルス薬(DAA)をはじめとする、専門性の高い薬物は、薬の種類も増え、各々の使い分けが難解であるという声も耳にします。このような現状を踏まえ、手軽で簡便にまとめた消化器薬物療法の指南書の必要性が叫ばれてきました。そこで、そのような現場のニーズに応えるべく、本書が誕生しました。

第1章は症状編で、日常診療でよく遭遇する消化器症状に対する鑑別のポイント、それらへの薬の使い方についてまとめました。第2章の疾患・病態編では具体的な症例を提示し、その病態・疾患の基礎知識、治療戦略、エビデンスを解説し、具体的な薬物療法を紹介しています。第3章の薬剤編では、各薬物の特徴や、適応、使用時の注意点について詳説しています。

本書で心がけたのは、ロジカルな薬物療法を実践するために、薬の特性、薬物動態、相互作用などの臨床薬理的な知識を盛り込んだことです。単なるパターンの概説ではなく、薬理学的背景に基づく実臨床での薬物療法を、シンプルに初学者でもわかりやすく解説した書物となっています。したがいまして、本書の対象は研修医、一般内科医はもちろんのこと、消化器内科医が知識を整理するのにも役立つと自負しております。

最後に、本書を企画するに際してご監修いただいた藤村昭夫先生、執筆者の先生方に深謝申し上げます。

 

 

順天堂大学練馬病院消化器内科 先任准教授

大久保 裕直