脱“調剤薬局”時代の航海術
Ⅰ その薬局は伸びる? つぶれる?
1 薬局を取り巻く環境はこう変わってきた
2 まずは、水車小屋型薬局からの脱却を宣言すること
3 「水源型薬局」のイメージを固めていく
4 「患者のための薬局ビジョン」恐るべし
5 “対物→対人”のカギは、いかに薬剤師を暇にするか
Ⅱ 3Stepで対人業務の余力を創れ
1 日常業務を見直し、動線を整理
2 業務の機械化・ICT 化を図る
3 非薬剤師とのタスクシェアを実践する
Ⅲ 対人業務とは、すなわちFAFの実践
0 FAFとは
1 Follow(フォロー)
2 Assessment(アセスメント)
3 Feedback(フィードバック)
Ⅳ “脱・調剤薬局”のための4本柱
0 「水源型薬局」を目指すために
1 1にも2にも在宅の比率を上げる
2 オンライン服薬指導、オンライン診療への対応を進める
3 セルフメディケーションへの取り組みを本格化する
4 疾病予防・セルフケアへも取り組む
Ⅴ 次世代型薬局に求められる経営戦略
0 これからのヒト・モノ・カネ・情報の在り方とは
1 “ヒト”の視点でみる薬局経営
2 “モノ”の視点でみる薬局経営
3 “カネ”の視点でみる薬局経営
4 “情報”の視点でみる薬局経営
Ⅵ 非薬剤師業務マニュアル
1 心構え
2 知識
3 技能
本書を手に取っていただき、ありがとうございます。調剤薬局の経営って、こんなに難しかったっけ? あなたも、そう思われている薬局経営者のお一人でしょうか? また、今までのやり方では薬局経営は上手くいかなそうで、独立しようかどうか迷っているという薬剤師さんでしょうか? 確かに、薬局業界は、患者さんがたくさん受診する医療機関に近接して薬局を出せば、あっという間に黒字が出るという、ありがたい業界でした。
しかし、それは一昔前のお話です。分業率が70%を上回り、上場企業もいくつか出てくる時代になり、風向きは変わってきています。さらに、調剤併設ドラッグストアの躍進、「対物から対人へ」という聞き慣れず、納得もしづらい方針の浸透、服用後のフォローや医師へのフィードバックを薬剤師の業務として明記する医薬品医療機器等法の改正、さらには、なにやら不穏な感じすらする調剤報酬制度の変化……。業界は、やはり大きく変わりつつあると感じていたころに世界を襲った新型コロナウイルス感染症の感染拡大による患者の受療行動の変化は、まさに激動という呼び方が相応しいものだと思います。
企業を運営するというのは、言うなれば、船を操るようなものです。一緒に乗り込んでくれる職員と、見ようによっては心許なく見える船の船長として、目的地に向かって航海していくのですが、この10年ほどの変化は、まさに波高く風強しといった状況で、現在地はもとより目的地すら見えなくなっているという状況の薬局経営者も少なからずいらっしゃるようです。
私も、母が始めた実家の薬局を事業継承して20年になりますが、少し早めに「調剤薬局」というあり方から舵をきったためか、想定外の荒波に揉まれ、何度か沈没しそうになりながら、自分の薬局を経営してきました。ちょうど時を同じくして、呼吸器外科医から訪問診療医、そして地域の中小病院の院長・理事長へと医師としてのキャリアを変えていったことで、地域医療における薬局や薬剤師のあり方は、こうあるべきではないかということを、複数の視点で考えることができたと思います。
その結果、今後あるべき薬局や薬剤師の姿を、薬局3.0、薬剤師3.0と命名し、自分の薬局で実践しながら、そこで得られたコツやポイントをなんとか他の薬局や薬剤師に活用してほしいと、一般社団法人日本在宅薬学会を設立したり、薬局向けの経営コンサルティングを行うPHB Design株式会社での活動を広げたりしてきました。
本書は、そういった活動を通じて得られた知見を、自社の薬局での経験はもとより、多くの薬局経営者や薬剤師とさまざまな活動をするなかで得られた感覚、さらには病院運営の視点から見た地域医療のあるべき姿を踏まえて、何度もトライしながらも、なかなか変わらずにいることにモヤモヤしている薬局経営者や薬剤師に向けて、1冊の書籍としてまとめたものです。
さあ、それでは早速、本書を手に自社の薬局のあり方や薬剤師としての生き方を変える航海に出かけましょう。
令和5年8月
狭間 研至
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