処方のギモン
1. いわゆるペニシリンアレルギーにはどう対応すべき?
2. 胃薬は、ちょっとくらい量が多くても大丈夫?
3. NSAIDs潰瘍予防の胃薬は必ず併用?
4. オピオイド鎮痛薬には、どんな違いがあるの?
5. Z-drugはどう使い分けるべき?
6. リネゾリドで血小板減少はなぜ起こる?
7. 副作用を回避するためのプレガバリンの投与法
8. バルプロ酸を飲んでいる患者にカルバペネム系がオーダーされたけど
9. 高齢がん患者の抗うつ薬は、どう選ぶ?
10. ビスホスホネート製剤、7つの注意点とその理由
病棟のギモン
11. 抗菌薬・NSAIDsで発熱? 薬剤熱に注意!
12. 口が渇くし、尿が出ない? 抗コリン作用のさまざまな影響とは
13. 薬の効果、自信をもって説明できますか?
14. 吸入薬の治療効果を最大限に発揮するためには?
15. 薬剤耐性菌はどうやって誕生する?
16. 光線過敏症対策では何を、どう伝える?
17. ベンゾジアゼピン系以外の睡眠薬、転倒リスクは?
18. 眠気が起きやすい抗ヒスタミン薬はどれ?
19. ミルクアルカリ症候群では何に気をつける?
20. 患者がせん妄ハイリスク薬を飲んでいたら?
21. 注射薬の配合変化と輸液フィルターについて教えて!
22. せん妄の患者さん、リスペリドンで全然寝ませんでしたよ?
23. 便秘には、どの薬を選べばいい?
24. コレステロールが下がったら、薬はもう飲まなくていい?
25. 芍薬甘草湯は1日6回でも7回でも飲んでいい?
短くたって役に立つ! ショートショート25
シリンジのエアー抜きは「空気の気持ちになって考えよう」
カリウム製剤、その使い分けと切り替えと
夜食療法「LES」とは?
スナックの話、ふたたび
モビプレップはジュースに混ぜると爆発!?
がん化学療法のレジメンはセットリスト
イントラリポスの投与速度おてがる早見表
抗菌薬の併用による協力攻撃とは?
ナイキサンテストって何?
もしもビスホスホネートを飲み忘れたら
臨床とエビデンスの妥当性
ゲーミフィケーションと薬学教育
輸液の刺入部、そもそも消毒は必要?
吸入するときは舌の位置も意識すべき?
象に踏まれてもつぶれない薬
薬が渡せない!――薬の流通と供給制限
そもそも抗菌薬はなんで効くの?
薬が効き始める時間の算出法
アンプルカットで指を切らない、すぐに覚えられて一生使える方法
制吐薬の長期服用のリスク
便に錠剤がそのまま出てきたんだけど
せん妄に対するトラゾドンの効果とは?
リスペリドン内用液はお茶に混ぜても大丈夫?
ロゼレムの服用は夕食後? 就寝前?
湿布は1日に7枚も8枚も貼っていい?
付録
投与速度に注意が必要な注射薬
投与濃度に注意が必要な注射薬
尿の色を変える薬
便の色を変える薬
「この薬は、どうしてこんな決まりがあるの?」
「この患者さんの場合は、この投与量でいいの?」
「○○と××は一緒に投与しても大丈夫?」
臨床現場では日々、さまざまな疑問が生じます。医師や看護師、患者さんからいろいろなことを聞かれ、ふと疑問に思うことも。それは、調べればすぐにわかるものから調べてもすぐにはわからないもの、はたまた調べたとしても明確な答えのないものまで多種多様です。
この本はそんな臨床で生じがちな薬の疑問とその解決策をまとめた、私が新人時代に開設したブログに投稿している一連のシリーズを書籍にしたものです。日々浮かび続ける疑問を解消するため、日ごと夜ごとに書きつづり、ふと振り返ればシリーズは百を優に超えるほどに。そのなかから特に臨床で役立ちそうなテーマを抽出して大幅に加筆修正し、図表も新たに作成し、かわいいイラストも描いてもらいました。
基本的に私の新人時代の疑問や病棟での看護師さんからの質問がもとになっているものが多いことから、同じように若手の薬剤師さんや看護師さん、そして学生さんを読者として主に想定して書いています。私自身難しい本より読みやすい本が好きなので、まるで漫画でも読むように「気軽に楽しく読める医学書」をモットーにまとめました。肩肘張らずに一緒に楽しく勉強していく、といったスタンスで読んでいただけるとうれしいです。もともと気ままに書いていたものなので、テーマに少し偏りがあるのは大目に見てください。
ちなみに私は道草をするのが好きなのですが、本書でも、詳しくまとめるためにいろいろ調べている過程で道草しながら得た周辺知識をたくさん盛り込んでいます。満載しようとしたらページ数が増えすぎたので、泣く泣く削ったほどに。
「しかし、ときどき、そういった道草から新しい情報がもたらされ、あるときは、本筋を飛躍的に効率化するアイデアをおもいつくことだってある」
(森博嗣:道なき未知、ワニ文庫、2019)
さあ、一緒に道草をしましょう。その先で、何か素敵な出会いがあるかもしれません。
最後に、書籍化のお声がけをいただき、常に的確な助言をくださいましたじほうの阿部直洋様、執筆のみならず監修や編集など全般的にご協力いただき、私のふにゃふにゃな原稿を正してくださった藤田大智様、言葉足らずな私の意を汲み、圧倒的に素敵なイラストを描いてくださった角野ふち様に心より感謝申し上げます。そして、ふにゃふにゃな私を暖かく見守ってくれる家族に、いつもありがとう。
2023年5月
大田 和季
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