薬局・ドラッグストアのための

らくらくコミュニケーションBOOK

¥2,200

●“指すだけ”で外国人患者に適切な情報提供ができる! コミュニケーションがとれる
●少し複雑な日本の医療制度についても英語・中国語でカバー
 
来局・来店した患者は外国人! 英語に自信がなくて、どうやってコミュニケーションをとればいいのかわからない…!? そんなあなたに、外国人診療や対応に精通した著者陣が、薬局・ドラッグストア内での対応にフォーカスを当てたコミュニケーションツールを作りました。症状や欲しい薬のヒアリング、処方箋対応などの一連の流れを英語・中国語で全面カバー! 本書を手にとったその日から“パラパラめくって指すだけ”で、外国人患者とコミュニケーションがとれるようになります。

 

編著
廣瀬 明香、二見 茜、冨田 茂/監
Julija Knezevic(英語)、三木 紅虹(中国語)/翻訳
こしのりょう/イラスト
発行日
2020年6月
判型
A6判
ページ数
128頁
商品コード
52862
ISBN
9784840752862
カテゴリ
書評

【書評】(一部抜粋、全文は下部に掲載)

…時間があるときに、「この本のどこに何が書かれているか」を見るだけでも、良質なコミュニケーションをとるために最低限必要な万国共通の基礎知識が目に飛び込んできて、思い出したり覚えられたりして、いつの間にかこの本が手放せなくなるでしょう。

帝京平成大学薬学部薬学科 教授 福島 紀子先生

 

…実際に外国人に対応する中で作られただけあって、とても実践的であり、外国人にわかりづらい制度の説明がついているのも秀逸。多くの薬局でこうした書籍を介して円滑なやり取りが進むことを願っている。

港町診療所所長 沢田 貴志先生

 

…監修、執筆陣が外国人医療に携わる現役の医師・看護師・薬剤師で構成された“超”実践書である。

有限会社くすりのミドリ ミドリ薬局 代表取締役 玉城 武範先生

 

 

 

帝京平成大学薬学部薬学科 教授 福島 紀子先生

薬局やドラッグストアにお勤めの方は、お客様が何らかの症状を抱えて苦しんでいたり、対応を急いで欲しいと思っていたりと、心配で不安定なケースに遭遇する場合も多いと思います。

初めて会う方とのコミュニケーションは緊張するものですが、特に相手が海外からのお客様となれば、言葉の壁が立ちはだかるために、必要なコミュニケーションをとれないという悩みがついて回ります。十分な経験があったとしても、体の部位の名称や症状などをとっさに相手の理解できる言語に置き換えてコミュニケーションをとることは大変です。

このポケットサイズの『薬局・ドラッグストアのためのらくらくコミュニケーションBOOK』は、こうした悩みを解決してくれる便利なツールです。

この本には、「日本語」、「英語」、「中国語」が用意されており、すべての漢字には平仮名が、英語や中国語にはカタカナのルビがふってありますので、まずはそれを読むだけで会話が始まります。

また、コミュニケーションの必要な状況に応じて、「受付」、「問診」、「薬の説明」、「ドラッグストア」のグループに分けられていますので、使える言葉を探し回ってコミュニケーションのリズムを中断しないで済みます。

もしもの一例として、冒頭の蛇腹折りの部分には、体や顔・臓器の名称がイラスト入りで書かれており、単語が見つからない場合やお互いの発音が聞きとれなかった場合などにも、指で差してコミュニケーションが取れる工夫がされています。

時間があるときに、「この本のどこに何が書かれているか」を見るだけでも、良質なコミュニケーションをとるために最低限必要な万国共通の基礎知識が目に飛び込んできて、思い出したり覚えられたりして、いつの間にかこの本が手放せなくなるでしょう。

この本を手に取られた皆さんが、海外のお客様とも笑顔でお話しできますように!

 

港町診療所所長 沢田 貴志先生

新型コロナウイルスの感染拡大という“大きな波”が押し寄せてきた今年。この波間を見つめていると、私たちがこれまで気がつかなかったさまざまな現実が見えてくる。

横浜にある私たちの診療所には、さまざまな外国人の患者さんが紹介されてくる。その中で最近増えているのが、これまで飲んでいた海外の薬の継続処方を希望してくる患者さんである。帰国便が延期になり薬が足りなくなったという旅行者もいるのだが、意外に多いのが、日本に住んでいて健康保険も加入しているのに、出身国の薬をずっと飲んでいたという方々である。どうやら日本語での会話に自信がないために病院や薬局に行くことが不安で、年に1~2回自分の国で長期処方をしてもらっていたり、家族が代理受診をして薬を送ってもらったりしたようである。定期的な診察や検査を受けずに作用の強い薬を服用し続けるのは、患者さんにとって危険なことである。

日本には300万人近い外国人が暮らしている。この皆さんが安全に医療を受けるためには、日本で診療を受け、日本の薬局から薬を受け取ることが望ましい。私たちの診療所では、薬剤師のがんばりで多言語の薬袋を作ったり、通訳や翻訳ソフトの力を借りたりしてなんとか対応をしているが、院内で処方できる薬の種類には限りがある。特に、出身国の薬と同じ処方の希望となると、どうしても院外処方が増えてしまう。そんなとき、「この処方箋を持って行った薬局で患者さんが困らないだろうか」、「薬局の皆さんにご苦労を掛けないだろうか」と心配をしていた。そんな私にとってこの本が出版されたことは大きな朗報である。実際に外国人に対応する中で作られただけあって、とても実践的であり、外国人にわかりづらい制度の説明がついているのも秀逸。多くの薬局でこうした書籍を介して円滑なやり取りが進むことを願っている。

 

有限会社くすりのミドリ ミドリ薬局 代表取締役 玉城 武範先生

「外国人とのコミュニケーションがとにかく苦手、相手が何を言いたいのか全くわからず、どうしたらよいのか…。」突然外国人に話しかけられて、慌ててしまった経験はないだろうか。

近年、訪日外国人観光客や在住外国人の増加も相まって、ビジネスや日常生活において多文化共生社会が進みつつある。そのような中、日本の医療習慣になじみのない外国人が、病気やケガなどで薬局・ドラッグストアに相談に訪れる機会は、これまで以上に増えることが予想される。

本書は専門的場面でよく用いられるフレーズを、英語・中国語で指差ししながら見開きですぐ使えるようコンパクトにまとめられている。

はじめの声がけからお見送りまで、全体の流れが一目でわかるようにカテゴリー別に記載された「接客対応フローチャート」は、実践での対応シーンを素早く探し出すことにとても役立つだろう。また、「受付時の対応」、「症状を聞く」などの場面別の項は、互いに指差ししながら会話を進められ、さらにはカタカナが振ってあるので、発音に自信がなくてもなんとなく発音することでさらに伝わりやすいはずだ。加えて多くの図やイラストは、日本語が理解できない外国人の理解を助け、実践の場でとにかく使えるツールとして期待できる。

本書は監修、執筆陣が外国人医療に携わる現役の医師・看護師・薬剤師で構成された“超”実践書である。なんといっても、勤務中のポケットに入れて気軽に持ち歩けるサイズ感が良い。外国人対応を実践する薬剤師や登録販売者、スタッフには頼りになる書としておすすめしたい。