調剤と情報 2023年11月号(Vol.29 No.15)

【特集】「副作用が生じていないこと」を確認するための 副作用の機序とモニタリング

¥1,870

 ●特集 「副作用が生じていないこと」を確認するための 副作用の機序とモニタリング
 
企画:林 昌洋(虎の門病院 薬事専門役)
 
薬剤師が担う副作用モニタリングにおいて「副作用症状はあるか?」に意識をとられがちです。見方を変えて患者の立場で考えると、日々感じている体調変化のなかに「副作用症状がないこと」を薬の専門職である薬剤師が確認していることが安心に繋がります。対人業務にシフトし患者に寄り添う薬局薬剤師にとっても、服薬アドヒアランスのサポートだけでなく、副作用の初期症状が認められないことの確認・評価は大切です。

本特集では、「副作用が生じていないこと」を確認するために、副作用の機序と薬局でのモニタリングポイント、症状評価の考え方について、薬局で副作用の初期症状が疑われる際の初期対応として薬剤師が行うべきことや医師へ情報提供する際のポイントについても解説します。

編著
日本薬剤師会/監修 じほう/編
発行日
2023年11月
判型
A4変型判
ページ数
144頁
商品コード
94386
目次

●特集 「副作用が生じていないこと」を確認するための 副作用の機序とモニタリング

 

 企画:林 昌洋(虎の門病院 薬事専門役)

 

◆薬局における副作用モニタリングのポイント

 林 昌洋

◆副作用症状がないことを確認するモニタリング

・重症高血圧

  新井 さやか

・うっ血性心不全

 若林 進

・薬物性味覚障害

 園部 あみ、北原 加奈之、舟越 亮寛

・スティーヴンス・ジョンソン症候群

 萱野 勇一郎

・間質性肺炎

 内田 まやこ

・横紋筋融解症

 後藤 伸之

・高血糖

 谷藤 亜希子

・無顆粒球症

 矢野 良一

・肝障害

 佐村 優

・薬剤性パーキンソニズム

 飯久保 尚、下山 航平

・新生児薬物離脱症候群

 小原 拓

 

今月の話題/日本薬剤師会 

処方・調剤・保険請求のQ&A/日本薬剤師会

 

連載

構造式から読み解く くすりのプロファイル

 官能基の力

 黒木 央、角野 ふち

●聞いてみよう 薬剤師の知りたいこと

 食べ物の力を引き出す「時間栄養学」

 柴田 重信

症状別! 迷子にならない OTCセルフケアマップ

 鼻症状に対する市販薬の選び方

 北山 雅大

薬局目線で解説! グラムスキー先生の感染症・抗菌薬マネジメント講座

 耐性菌を増やさないための抗菌薬適正使用の知識―テトラサイクリン系

 瀧藤 重道

ほうりつのおとしあな 法律違反事例から学ぶ おじさん薬剤師の憂鬱

 併用禁忌の薬剤をそのまま疑義照会せずに調剤してしまいました

 赤羽根 秀宜、たけのこ

あつまれ薬局1年生 本当は僕が新人のときに知りたかった薬局スキル

 トレーシングレポートの書き方を教えてください!

 鈴木 邦彦

今月のヒヤリ・ハッと・ホッとした話

 澤田 康文

●新薬くろ~ずあっぷ

 ゾコーバⓇ錠125mg

 田中 雄大、山口 諒、大野 能之

●まぜるな危険? 知って得するシロップ・ドライシロップの配合変化

 レベチラセタムドライシロップ②

 細谷 順

 

News & Topics

日本薬剤師研修センターだより

次号予告

●特集 基礎薬学と臨床を結びつける薬学的解釈 アカデミック・ディテーリング

◆アカデミック・ディテーリングとは

◆基礎薬学から考える医薬品情報

・化学×アカデミック・ディテーリング

・薬理学×アカデミック・ディテーリング

・薬物動態学×アカデミック・ディテーリング

・テープ剤の製剤学×アカデミック・ディテーリング

・臨床論文吟味×アカデミック・ディテーリング

◆コミュニケーション×アカデミック・ディテーリング

・医師に薬剤選択ポイントをわかりやすく示すアカデミック・ディテーリング資材

・基礎薬学と臨床のエビデンスを活用したClinical Decision-Makingとは

・医師の処方行動に影響を与えるコミュニケーション力とは

 

アカデミック・ディテーリングとは、コマーシャルベースではない、公正中立な基礎薬学と臨床のエビデンスをもとに、医師に医薬品比較情報を能動的に提供する活動のことです。

同じような効果を示す薬でも基礎薬学的な違いがあり、患者の腎機能や肝機能障害などの背景や、服用中の医薬品との相互作用を考慮して、患者に最適な医薬品を臨床意思決定(Clinical Decision-Making)して、処方支援することが大切です。

 

本特集では、「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」をテーマに、臨床のエビデンスをベースに、化学、薬理学、薬物動態学の視点でそれぞれ掘り下げていき、処方の個別最適化について考えていきます。