「わたしの体」をまもる仕組み
第1部 教えて、わたしのまもり方
第1章 「免疫」って、何してるの?:「わたしの体」と免疫
第2章 免疫部隊の仲間たち:免疫反応で働く細胞
第3章 急いで急いで、大変だ!:生体のバリアと自然免疫による防御
第4章 じっくりしっかり、大活躍:適応免疫の基本ルール
第2部 教えて、免疫部隊のひみつ
第5章 免疫部隊の生い立ちと強くて優しいひみつ:リンパ球の多様性と自己寛容の成り立ち
第6章 免疫部隊の基地と移動のひみつ:リンパ組織とリンパ球の移動
第7章 抗体ミサイルのひみつ:B 細胞による抗体の産生とその働き
第8章 相手を見きわめるT細胞のひみつ:病原体に応じたT細胞の分業と働き
第3部 てんやわんやの、免疫部隊
第9章 免疫部隊は大さわぎ:免疫が原因となる病気(アレルギー、自己免疫疾患、免疫不全症)
第10章 「わたしの体」ウォーズ:免疫応答の人為的な制御(がん免疫・移植免疫)
免疫学をもう少し
①免疫学の誕生
②COVID-19から学んだこと(1):新型コロナウイルスの出現と治療薬の開発
③COVID-19から学んだこと(2):人類が経験したパンデミック
④免疫学の広がりと深まり(1):免疫系と神経系,内分泌系
⑤免疫学の広がりと深まり(2):免疫系と代謝系
⑥免疫学の広がりと深まり(3):免疫系と老化・長寿
付録1 復習問題
付録2 国家試験問題にチャレンジ!
この本は免疫の全体像をつかむための本です。
「免疫」は私たちがこの世界で生き残るための仕組みです。「免疫」が適切に働かなければ,私たちはたちどころに病原体に侵略されてしまいます。一方で「免疫」が暴走すると,アレルギーや自分の体を攻撃する自己免疫疾患を引き起こしてしまいます。このような免疫の仕組みをわかりやすくお伝えすることを願って,2016年に「初めの一歩は絵で学ぶ 免疫学」を出版し,幸い多くの皆さんに手に取っていただくことができました。その後,私たちは2019年末に出現した新型コロナウイルスの世界的な感染拡大を通じて,免疫の大切さや複雑さを経験することになりました。本書では,前著のスタイルを維持しながら「免疫」をより良く理解できるようリニューアルし,「つまずき知らず」で進めるように工夫しました。
免疫の仕組みはとてもよくできていて,それは見事なばかりです。けれども勉強を始めたばかりの皆さんにはそれがとても複雑に感じられて,「いま何を勉強しているのだっけ?」と道に迷いそうな気分になることがあるかもしれません。この本では免疫の仕組みを「体をまもる防衛部隊」にたとえ,「わたし」と「はかせ」の対話を通じてわかりやすく解説します。そして,免疫学について「押さえておこう」というポイントを,見開きで1項目が完結するようにイラストを活用しながら説明します。また章末の “レクチャープラス” では,一歩踏み込んだ説明を加えます。この本といっしょに勉強をスタートすることで,免疫学の専門的な教科書もずっと親しみやすいものになることと思います。
この本は,3 部構成になっています。
第1部では,免疫学の「考え方の要点」を解説します。免疫系は,いくつかの異なる方法で体をまもっています。まずこれを整理して理解します。
第2部では,免疫系を理解するために必要な「鍵となる知識」を整理します。そして,免疫反応の特徴と免疫反応の全体像を見渡します。
第3部では,免疫と病気の関連を扱います。「アレルギー」「自己免疫疾患」「がん」「臓器移植」などが対象です。
また,巻末には免疫学を掘り下げて学べる「免疫学をもう少し」と関連する国家試験問題も収めました。
本書を通じて免疫学の面白さを味わっていただければ,とても嬉しく思います。それでは,お話を始めましょう。
2024年3月 春を待つ神戸のキャンパスにて
田中 稔之
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