薬学生のための

病院・薬局実務実習テキスト 2024年版

¥4,730

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●全国の薬学生・指導薬剤師に長年、支持され続ける実習書
●現場に即した内容で、学生・指導者の双方が活用できる
 
初版から25年にわたり、近畿地区を中心に全国の薬学生および病院・薬局の実習担当薬剤師に利用されている実習テキストです。2019年版より改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムに対応しました。
第1章、2章、4章、5章では、到達目標(SBOs)、使用教材、学習事例のほか、実務実習中における重要な項目についてまとめています。第3章(薬物療法の実践)では、薬物治療への関わりを一連の流れとして捉えるために、薬局・病院別に代表的な8疾患の症例に沿って、患者情報の把握から処方設計と提案、薬物治療における効果と副作用の評価までの重要なポイントを解説しています。また、症例ごとに設定された課題は知識の整理・定着に役立ちます(解答例はダウンロード形式)。
今版では、図表、医薬品、症例のアップデートを中心に、最新の情報となるよう見直しを行いました。薬学生・指導者の両者が活用しやすい現場に即した実習書として、さらに充実した内容となっています。
編著
一般社団法人薬学教育協議会 病院・薬局実務実習近畿地区調整機構/監
日本病院薬剤師会近畿ブロック/日本薬剤師会大阪・近畿ブロック/編
発行日
2024年1月
判型
A4判
ページ数
352頁
商品コード
55573
ISBN
9784840755573
カテゴリ
目次

第1章 薬学臨床の基礎

 1 臨床における心構え

 2 臨床実習の基礎

 

第2章 処方箋に基づく調剤

 1 法令・規則等の理解と遵守

 2 処方箋と疑義照会

 3 処方箋に基づく医薬品の調製

 4 患者・来局者応対,服薬指導,患者教育

 5 医薬品の供給と管理

 6 安全管理

 

第3章 薬物療法の実践

 1 がん

 2 高血圧症

 3 糖尿病

 4 心疾患

 5 脳血管障害

 6 精神神経疾患

 7 免疫・アレルギー疾患

 8 感染症           

 

第4章 チーム医療への参画

 1 医療機関におけるチーム医療

 2 地域におけるチーム医療

 

第5章 地域の保健・医療・福祉への参画

 1 在宅(訪問)医療・介護への参画

 2 地域保健(公衆衛生,学校薬剤師,啓発活動)への参画

 3 プライマリケア,セルフメディケーションの実践

 4 災害時医療と薬剤師

 

付録・その他

 SBOs対応表 / カルテによく用いられる略語と用語名 / 医師・ナースが臨床現場で用いる会話用語 / 主な検査値と基準値(正常値)一覧 など

序文

まえがき

 

 医療技術の高度化や複雑化など医療の進展に伴い,薬剤師に求められる役割も高まっています。2004年に学校教育法の一部改正により薬剤師養成のための薬学教育の修業年限が4年から6年に延長されました。それに伴い,薬局および病院での長期実務実習が卒業の必須要件の1つとなり,実施されてきました。

 2010年以降,医療環境はさらに大きな変化を迎えています。チーム医療の推進による医療の質・安全性の向上が求められるなか,薬剤師も「多職種連携」や「対物から対人へ」の変化を推進しています。さらに診療報酬改定において,医療機能の分化・強化,連携を促す方向性が示され,「地域包括ケアシステムの構築」へと舵が切られました。将来,薬局薬剤師および病院診療所薬剤師は地域包括ケアシステムの一翼を担い,外来,入院そして在宅のすべての過程のチーム医療において,薬剤師による薬学的管理の実施が強く求められる状況がすぐそこまで迫ってきています。

 このような大きな医療の進展にあわせて,薬学6年制教育においては薬学教育モデル・コアカリキュラムの改訂を行い,10年後の薬剤師業務に対応する臨床対応能力の修得を目指して2019年度から改訂薬学教育モデル・コアカリキュラム(改訂コアカリ)に基づく実務実習が開始されました。改訂コアカリに基づく実務実習では,薬局実習と病院実習の一貫性を図り22週間の実習を効率的に行い,学習効果を上げることが求められています。近畿地区においては,薬局と病院の施設連携(グループ化)を構築し,施設間の特徴を活かした連携を基盤とする実習を運用することで学習効果の高い実習を目指しております。

 近畿地区調整機構では,1998年から実習テキスト「薬学生のための病院・薬局実務実習テキスト」を作成し,学生や指導薬剤師の先生方に使用いただいております。また,さらに学習効果の高い実習を目指して2019年からの改訂コアカリに基づくテキストの全面的な改訂を行い,医療現場で活躍されている先生方に執筆いただいております。2024年版においても内容を最新のものに更新するなどの見直しを行いました。本書が,薬学生の臨床実習における薬剤師業務の理解に役立つことを願っています。

 今回の改訂に際し,ご尽力いただきました本調整機構テキスト小委員会の先生方に御礼を申し上げるとともに,執筆および編集にご尽力いただきました諸先生方,近畿の薬剤師会,病院薬剤師会に感謝いたします。また,本書の出版にお骨折りいただきました株式会社じほう大磯洋彦氏はじめ出版局諸氏に御礼申し上げます。

 

2024年1月

一般社団法人 薬学教育協議会

病院・薬局実務実習近畿地区調整機構

委員長 名德 倫明

(大阪大谷大学薬学部教授)