2025.04.01

薬剤師・医療ニュース from Jiho[2025年4月上旬]

長生堂・川内工場、抗菌薬製造でGMP省令違反

 経口用セフェム系抗生物質製剤を製造する際、承認書に記載のない打錠用粉末の追加乾燥を実施していたことがGMP省令に違反するなどとして、徳島県は長生堂製薬に対して、川内工場(徳島市)の32日間の業務停止と業務改善を命じる行政処分を下した。同社は2021年にも後発医薬品の製造違反で業務停止命令を受けており、今回の事案は、業務改善計画に基づく取り組みを進めている最中に起きた。

 同社が2024年5月、川内工場において、新たに不適切な方法による製造が行われていたことを公表。その後の国や県の調査、同社が実施した社内調査によって、問題の全容が判明したことを踏まえ、このタイミングで処分を決定した。

 

- 需要逼迫で「生産を優先」


 問題となったのは、川内工場における経口用セフェム系抗生物質製剤セフジニル錠100mg「サワイ」の製造など。同剤については、承認書に記載のない打錠用粉末の追加乾燥を実施していた。このほか、製造設備の洗浄が適切な手順で実施されていないなどの違反も確認されたという。

 同社は、今回の行政処分の対象となった問題が発覚して以降、外部の法律事務所の支援を受けながら社内調査を実施した。調査の結果、川内工場の元工場長が、セフェム系抗菌薬の需要拡大による生産の逼迫と製品供給に関する受託元からのプレッシャーを感じ、「平時であれば逸脱処理を行っていたであろう事案について、GMP違反と認識しながらも、生産を優先し、逸脱処理を行わないと判断していた」ことなどが明らかになった。

 また川内工場では2021年の行政処分時、同社の他工場と比べ、重大な齟齬の指摘が限定的だったことなどから「従前のやり方に誤りはなかった」との慢心が組織にまん延。業務改善に向けた当事者意識が醸成されにくい状況に陥っていたという。

 

- 14品目は命令除外


 川内工場に対する医薬品製造業務の停止命令は、3月28日から4月28日まで。ただし徳島県は、全国シェアが高く安定供給への影響が懸念される14品目については、行政処分の対象から除外した。県薬務課の担当者は、日刊薬業の取材に「医療上どうしても必要な品目については、製造販売業者の責任の下、製造管理や品質管理に問題がないか十分確認した上で出荷することを限定的に認めた」と説明した。

 除外となるのは、▽ケフラールカプセル250mg▽セファクロルカプセル250mg「SW」▽同カプセル250mg「トーワ」▽同カプセル250mg「JG」▽同細粒小児用10%「SW」▽同細粒20%「日医工」▽セフカペンピボキシル塩酸塩錠100mg「CH」▽セフジトレンピボキシル錠100mg「CH」▽セフゾン細粒小児用10%▽セフジニル細粒小児用10%「SW」▽セフゾンカプセル50mg▽同カプセル100mg▽セフスパン細粒50mg▽セフポドキシムプロキセチル錠100mg「SW」―。

 業務改善については「違反事項の原因究明および改善」や「法令順守体制の再構築、実効性の担保」「是正措置および再発防止に係る改善計画の策定および提出」を命じた。

 長生堂は取締役の役員報酬の一部について減額処分を実施したことも発表した。小城和紀代表取締役社長は月額報酬の30%相当を減額(6カ月)、3人の取締役(麻生令二、三井隆志、中内紀文の3氏)は、いずれも月額報酬の10%相当を減額(6カ月)とした。減額処分は、昨年すでに実施したという。同社は同日、「処分を重く受け止め、再発防止に向け全社一丸で取り組む」とのコメントを発表した。

|2025年3月27日・PHARMACY NEWSBREAK

J-HOP、在宅評価拡大で恩恵も「適正算定が重要」

 在宅領域の評価を拡大した2024年度調剤報酬改定が2024年6月から始まって半年あまり。全国薬剤師・在宅療養支援連絡会(J-HOP)の宇都宮励子副会長(大阪ファルマプラン理事長)は、これまで報酬面で評価されてこなかった業務が算定対象になったことを歓迎しつつ、「適正算定が重要」と指摘する(写真)。不必要な算定は、「次期改定で要件の強化につながりかねない」と注意を呼びかけている。

 今改定では、在宅移行初期管理料(230点)が新設された。同管理料の対象は、末期のがん患者や注射による麻薬の投与が必要な患者など。要件は、▽患者や家族から薬学的管理に必要な情報の収集▽残薬の確認・整理、服薬管理方法の検討・調整―などと定められている。

 大阪府内に12店舗運営する大阪ファルマプラン(在宅訪問件数は月600件以上。個人が約8割、施設が約2割)では、各店舗が月に1件のペースで算定できているという。

 具体的なケースとしては、在宅医療に移る前に退院時処方箋を応需したり、退院直後から薬局のPCAポンプを貸し出したりする際に、薬剤師が介入した場合に算定している。在宅が始まる前の「サービス担当者会議」への薬剤師の参加だけで算定することは、「迷いがある」として見送っている。

 算定するかの判断基準は、「薬学的判断」の有無。宇都宮氏は「在宅医療が始まる前に訪問したとしても、例えば契約書を書いてもらうだけでは算定はできない」とみる。

 

- 訪問加算「不必要な算定は不信感に」


 終末期の在宅患者への訪問回数の上限も引き上げられた。在宅患者訪問薬剤管理指導料は「月4回」から「週2回かつ月8回」に、在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料は「月4回」から「原則月8回」になった。宇都宮氏は「この回数でほとんどのケースはカバーできている」と話す。

 一方で、新設された夜間訪問加算(400点)、休日訪問加算(600点)、深夜訪問加算(1000点)の算定には慎重な姿勢だ。「緊急性の度合いを処方医や家族に確認し、できる限り時間内や翌日対応するようにしている」という。「加算の算定は患者負担にも跳ね返る。不必要な算定は、薬局業界全体への不信感にもつながる」と指摘する。

 

- 在宅薬学総合体制加算2、設備未活用なら「要件強化の可能性」


 新設された在宅薬学総合体制加算2(50点)についても「適正な運用が重要」と強調。要件になっている「無菌室、クリーンベンチまたは安全キャビネットの整備」について、「報酬改定をきっかけに購入した薬局も多いと聞いている。ただ、算定のために購入しただけで、実際には活用していないケースが目立つようなら、次期改定で実績要件が追加される可能性がある」と見通す。

 次期改定に向けてJ-HOPでは、会員向けのアンケート調査を予定。特定保険医療材料の「逆ざや」の解消などに向けて量的データをまとめる方針という。

|2025年3月17日・PHARMACY NEWSBREAK

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国内初の近視薬、使用広がるか

 国内初の近視進行抑制薬として、参天製薬がリジュセアミニ®点眼液0.025%を4月21日に発売する。小児の近視は社会問題になるほど増えており、同剤に対する眼科医や患者・家族のニーズは高いとみられる。ただ、保険診療の対象外のため、使用をためらうケースもあると予想される。近視の進行抑制の意義や価格に見合う価値を示せるかどうかが、同剤の市場浸透の鍵を握りそうだ。

 

- 近視小中学生は400万人


 参天製薬によると、国内の近視の小中学生は400万人程度と推測される。近視は眼軸長が伸び、遠くのものがぼやけて見えるようになる疾患で、QOL低下を招く。強度近視になると、重度合併症の発症リスクが増加し、それによって失明する可能性もある。

 リジュセア®は1日1回点眼で、かつ防腐剤フリーの低濃度アトロピン(非選択的ムスカリン受容体拮抗薬)。強膜の菲薄化を阻害して眼軸の伸長を抑制することで近視の進行を抑える。国内臨床第2/3相試験では、投与24カ月時点でプラセボを上回る効果が認められ、効果が3年間持続することも示された。主な副作用は羞明だった。軽・中程度の近視の小児患者への投与を基本とする薬剤で、10代後半まで継続して使用するのが望ましいとされる。

 低濃度アトロピンに近視の進行抑制効果があることは以前から知られていたが、これまで国内には承認された薬剤がなく、苦肉の策として個人輸入や院内調剤で対応しているケースも一部にあった。リジュセアの承認により、日本人に対する臨床試験で有効性と安全性が確認され、品質も担保された薬剤を用いることが可能になる。

 

- 参考価格は30日分で4,380円


 参天製薬は同剤を保険診療の対象にすることを目指していたが、厚生労働省と相談した結果、自由診療扱いとなった。予防的な適応に当たることがその理由と推察される。同剤の価格は各医療機関が設定するが、同社は参考価格として4,380円(30日分、税込み)を示している。この価格は「個人輸入と同程度で、かつ患者が治療を継続できる水準という考えに基づき設定した」という。

|2025年3月19日・日刊薬業

第110回薬剤師国家試験、私立大新卒「実質合格率」は73%

 第110回薬剤師国家試験の合格発表では、私立薬科大・学部の「新卒合格率」は平均84.38%だった。ただ私立大の一部には新卒合格率を高く見せようと、出願者の中から優秀な生徒を絞り込んで受験させる傾向がある。そこで、じほうが新卒の「受験者数」ではなく「出願者数」に占める割合を「実質合格率」として集計したところ、平均は73.01%となり、新卒合格率と11.37ポイントの乖離があった。最も差があったのは岩手医科大の43.55ポイントで、新卒合格率は87.10%だが、実質合格率は43.55%だった。

 今回の国試で私立大の新卒出願者数は8,280人。このうち7,164人が実際に受験したが、1,116人は試験を受けなかった。

 岩手医科大は62人が出願したものの半数は受験せず、受験者数は31人で合格者数は27人だった。これにより、受験者に占める合格者の割合は87.1%と9割に迫る高さだが、出願者数に占める割合は43.55%と5割を切った。

 第一薬科大も乖離幅が40ポイントを超えた。同大は前回も同様だった。出願者数102人に対し受験者は48人にとどまり、合格率(81.25%)と実質合格率(38.24%)とでは43.01ポイントの開きがあった。九州医療科学大、城西国際大、兵庫医科大も約30ポイントの差があった。

|2025年3月26日・PHARMACY NEWSBREAK

厚労省、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」改定を周知

 厚生労働省医薬局医薬安全対策課は、「重篤副作用疾患別対応マニュアル」の改定とホームページ掲載を、日本製薬団体連合会安全性委員会宛てに事務連絡した。対象となったのは、▽薬剤関連顎骨壊死・顎骨骨髄炎▽ネフローゼ症候群▽血管炎による腎障害(ANCA関連含む)―。

|2025年3月28日・日刊薬業

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